トップページ > 禁煙ブームとマナー

禁煙ブームとマナー


公共施設内が禁煙となることは、最近では当たり前ですが施設だけではなく、地区全体を禁煙にしようという動きがありますね。それが歩きタバコ禁止条例。自治体が制定しているようなんですが、以下のように全国的な広がりを見せています。



東京都千代田区 「安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例」
(千代田区生活環境条例)

路上の「歩きたばこ」禁止条例としては全国初の条例。
住民から指定要望のあった靖国通り全域、神田、秋葉原、有楽町各駅周辺など歩行者の特に多い9地区を路上禁煙地区に指定。違反したら2千円の過料。
スタート1年間で過料を科せられたのは約5,500人で、1年後の吸い殻は定点観測で1割以下に減少。 2002年10月1日施行


福岡市 「人に優しく安全で快適なまち福岡をつくる条例」

2か月の周知期間の後、2003年10月1日から適用開始。
罰則付きの歩きたばこ禁止条例制定は東京都千代田区に次いで全国2例目。
条例は市長の指定する「路上禁煙地区」で、歩行中または自転車に乗りながら喫煙してはならないと定め、違反者には千代田区と同様、2万円以下の過料を科す。
努力規定として罰則はないが、①市内全域で歩きたばこをしない②屋外で喫煙する際には吸い殻入れを携帯する―など喫煙マナーの向上を求めているほか、ペットのふんの後始末や自転車放置禁止、落書き禁止なども定めている。 2003年8月1日施行、2003年10月1日罰則適用開始。

自転車に乗りながらもダメなんですね。


岐阜県白川村  「白川村ポイ捨て等防止条例」

吸い殻の投げ捨てなどを禁止する「ポイ捨て等防止条例」に新たな規定を設ける形で改正。 世界遺産に登録された同村荻町地区約45ヘクタールを対象に、観光客のほか住民にも灰皿のある場所以外での喫煙を禁じ、違反者には過料の罰則を科す。2003年春施行


栃木県日光市 「環境美化都市に関する条例」

 全9条で、世界遺産登録の建造物群103棟と周囲の山林50.8ヘクタールを指定し、歩きタバコを禁じている。罰則規定はない。 東照宮、二荒山(ふたらさん)神社、輪王寺の2社1寺が99年、世界遺産「日光の社寺」として登録され、2000年に環境美化都市宣言をした。 2003年5月1日施行


東京都杉並区 「杉並区生活安全及び環境美化に関する条例」

指定された地域での歩きたばこを禁止し違反者に過料を徴収する条例。2002年夏に区内で開催された祭りで、児童が歩きたばこの火でけがをする事故もあった。 2003年10月1日施行


富山市 「富山市まちの環境美化条例」

指定した市内の路上禁煙地域で歩きながら喫煙したり、吸い殻を路上に捨てたりした場合、2万円以下の過料。市町合併後の新条例は、2005年4月1日施行


東京都大田区 「清潔で美しい大田区をつくる条例」

以前からあった条例に新たに、区内全域にわたり、歩行中の喫煙や自転車運転中の喫煙を禁止する条項を加えて改正した。また、区長が定める路上喫煙禁止地区内において喫煙し、又はたばこの吸い殻を捨てた者は、1万円以下の過料に処することとした。もとの条例は1997年3月14日から。2004年6月1日改正施行


東京都品川区 「歩行喫煙および吸い殻・空き缶等の投げ捨ての防止に関する条例」

青物横丁駅、大井町駅、五反田駅、武蔵小山駅周辺の計4カ所の罰則適用地域で朝夕2時間ずつ、2~5人の指導員がパトロール。罰金は1000円。 2003年10月1日施行

千葉県佐倉市 「佐倉市快適な生活環境に支障となる迷惑行為の防止に関する条例」

罰則なし2003年10月1日施行。 駅の周囲を喫煙禁止区域に指定。


広島市 「広島市ポイ捨て等の防止に関する条例」

市が指定した「喫煙制限区域」での路上喫煙と、「美化推進区域」での吸い殻、空き缶のポイ捨てや、飼い犬のふんの放置、落書きを禁止。 2004年1月からは、路上喫煙とポイ捨て、飼い犬のふんの放置に2万円以下の過料、落書きに5万円以下の罰金を科す罰則が適用される。2003年10月1日施行

他、多数あるので割愛しますが、全国各地に拡充しています。しかし総務省関係者によれば、 「きちんと罰金を取っているのは、東京では千代田と品川の2区だけで、逆に、そこまで徹底しないと効果は上がらない。実際には、看板を掲げる程度で、条例が有名無実化している区がいっぱいです」とのこと。

そのキチンとした罰則規定のある千代田区を例にとると、生活環境条例施行からおよそ4年間の取り組みがホームページで公開されています。

千代田区総合ホームページ http://www.city.chiyoda.tokyo.jp/index.html

それによれば、「平成14年10月の条例施行以来、土・日曜を含む毎日、職員による巡回パトロールを実施しています。当初は、民間の警備業者を伴って4班体制で巡回していましたが、平成15年度から非常勤職員(現在16名)を採用し、区の係長級以上の職員(約320名)を織り交ぜ、現在は当初の2倍以上の最大9班編成で巡回しています。」とありました。

過料は合計29,531件、収納率は、施行当初から現在までで約86%。秋葉原駅周辺の再開発もあって、平成17年秋頃からは路上喫煙とポイ捨てが増加。複数の対策班による路上喫煙者の取り締まりや、夜間重点パトロールなどを実施するなどして対応しているそうです。

4年間の平均過料件数 月平均139.4件。17年10月以降、秋葉原駅周辺の重点取り締まりを頻繁に行った結果、過料処分件数が急増、他の地区の路上喫煙者は最近ではほぼ横ばいで、条例施行当初と比べ着実に減ってきているそうです。やはりきちんと過料を徴収するところが効果をあげているようですね。

巡回パトロールの時間帯については、休日を含め早朝から深夜まで行う24時間態勢で巡回というのですから人件費はかかりますね。
しかも秋葉原中央通りにある街路樹の根元部分(ツリーサークル)4か所にてポイ捨て吸い殻の定点観測を毎週1回は実施しているそうですから、徹底しています。

条例施行直前の平成14年9月29日に合計995本あった吸い殻が、条例施行直後に約5分の1に減少。その後も減り続け、最近では一桁台(条例施行前の100分の1以下)というのも多く、吸い殻の投げ捨て防止にかなり効果を上げていることになります。

条例の施行当初から、全国の自治体から視察・問い合わせや講演依頼などもあり、視察に訪れた自治体は420以上!実際かなり成功してるということです。

平成19年11月1日には芸能人を交えてのバコポイ捨てなど、マナーからルールへそしてマナーへ 「生活環境条例」施行5周年記念事業開催トークショーなどを行ったりと意欲的ですよね。

自治体の予算が組めればそれだけの、イベント、準会員を置けるのでしょうが、財政的に余裕があるところの方が全国的には少ないでしょう。

看板や地域の路上に「禁煙マーク」はあるものの、現状としては”絵に描いたモチ”状態というわけです。

例えばとある駅での行政相談では

通勤に利用している路線、自宅最寄りの駅で列車を待つ人が並ぶ位置のすぐ近くに喫煙コーナーが設置されているため、列車を待つ間、煙草を吸わない私は煙草の煙や臭いでいつも不快に感じている。また喫煙コーナーは、ホームへの階段の上にあるため、階段を下っている時に頭上から煙草の灰が落ちてきて不愉快であったことがあるほか、喫煙者の鞄等が落ちてこないかといつも気掛かり。

さらに、最近職場では喫煙コーナーの設置による分煙のほか禁煙タイムや喫煙タイムを設定し煙草を吸える時間を制限しているが、駅での場合、分煙対策は行っているものの禁煙タイム等の設定は行っていない。煙草を吸わない者の身になって駅の喫煙コーナーの位置の見直しや禁煙タイム等の設定を行うようにしてもらいたい。

こういった意見に対して回答はというと

  • 通勤・通学による混雑時等における禁煙タイム等の設定を検討すること。
  • 喫煙コーナーの設置場所について、各駅の状況に応じて必要な見直しを図ること。
  • 啓発ポスターや案内放送などにより、喫煙マナーの向上を図ること。

とあり、思い切った規制にあまだ踏みこむところは、実質少ないという感じです。

しかし財務省では、2005年7月にたばこ広告への規制が強化。バスや電車、タクシーといった公共交通機関での車内広告などを原則として禁止する方針を固めました。タバコは財務省管轄なんですよね。業界は現在、テレビやラジオ、インターネット、屋外大型スクリーンなどでのCMを自粛していますが、これを公的にも禁止しようというもの。たばこ広告は、たばこ事業法に基づき89年に作った指針で規制されてきたが、実際には業界の自主規制が先行していたため、実効性はありませんでした。

世界保健機関(WHO)が5月、広告や販促活動の原則禁止・規制強化を盛り込んだ「たばこ規制枠組み条約」を採択したのに合わせた規制のようで、企業側ではもはやブームで終わらせない雰囲気です。


地方の話題として、徳島県教育委員会が行ったアンケートでは喫煙する教職員の5割近くが、敷地内禁煙となった場合には、「受け入れられない(敷地内での喫煙を求める)」と回答。アンケートは、喫煙状況や禁煙などについて市町村立の110校と、県立学校53校に勤務する計4704人を対象に行われたそうですが、回答者の喫煙率は18.1%。「学校が敷地内禁煙となった場合どう考えるか」との問いに、市町村立学校の喫煙者の46%、県立学校の喫煙者の54.2%が「受け入れられない」と答えているそうです。非喫煙者では、市町村立学校で87.7%、県立学校でも87%が「受け入れてほしい」と回答。相当に差が開いていますね。

吸わない人はほとんどが禁煙を望み、喫煙者の半数が反対。

敷地内禁煙でこうなるわけですから、地方の場合予算だけではなく、禁煙の必要性から入らないと広域禁煙地区指定での過料徴収など難しそうです。構成施行だと相当な反発が予想されます。

路上喫煙で実際に事故のあった杉並区でさえ、条例の目的に「区民の皆さんの生活安全等に関する意識啓発のためのPR活動を積極的に行ってまいります。」と 「生活安全・環境美化推進モデル地区」指定と啓蒙活動に留めています。

内容としては

  1. 生活安全のため防犯パトロール隊を組織し、住宅地などを巡回
  2. 環境美化のため環境美化パトロール隊を組織し、「路上禁煙地区」や「生活安全・環境美化推進モデル地区」を中心に巡回パトロールを実施
  3. 生活安全等に関する区民の意識の啓発に
  4. 区民や事業者の方達の、自主的な生活安全等に関する活動を支援
  5. 安全で快適な地域社会をつくるための環境の整備
  6. 生活の安全のために、共同住宅、大規模な店舗などが建築される際は、その建築主に防犯設備などについて警察署と協議するよう指導

と内容に強制力のあるものは盛り込まれてはいません。路上禁煙地区内での喫煙は、条例で罰則の対象となっていますが、たばこの吸い殻の実態調査等を行い、改善が進まなければ適用するという考えであるとしています。

事故は「高円寺阿波踊り」の会場付近で、歩きながら喫煙していた人のたばこの火種が、見学に来ていた小学一年女児の顔にあたりやけどを負うというもの。女児の母親が同区に対策を求めたことが条例制定のきっかけだそうです。杉並区は一九九八年に施行した美化条例で、「道路などを歩行中に喫煙しないこと」を区民の努力義務として規定。区が注意しても従わない違反者には、氏名を公表できることになっているが、実際に公表された例はなく、実効性はほとんどないのが実情だそうです。

罰金を科せば、事故が減るというのは交通事故によく当てはまりますが、千代田区が何故成功したのかは言わずもがな・・でしょうね。