禁煙と聞くと真っ先に思い浮かぶのが、「ニコチン中毒」の度合。一応基準を示しますと、
ニコチン依存症診断基準(米国精神医学DMSー3R)
少なくとも1ヵ月のたばこ継続経験があり、
1.長期禁煙や節煙が不可能
2.喫煙中止時に退薬症候が発現
3.たばこ使用による身体疾患の存在下でもその使用を続けること。
以上のうち少なくとも1つを満たすこと。
となっています。
禁煙方法のひとつに、禁煙セラピーというのをご存じでしょうか?どうもこの言葉は登録商標というわけではありませんが、心理療法の一種、つまりカウンセラーで、1983年にイギリスのアレン・カー氏によって開発され確立した禁煙治療のための心理療法を指す言葉のようです。世界36ヶ国で実施、無理なく禁煙治療ができ、身体にもあまり負担がかからないセラピー療法ということらしいですね。
禁煙セラピーの流れとしては、クラスでセラピストが主導権を握り、セッションに必要な時間は5時間くらい。40~50分に一度タバコ休憩やコーヒーブレイクなどを挟みながら禁煙に対する抵抗感を取り除き、セッション中は室内、または(分煙による)喫煙所で自由にタバコを吸うことができるそうです。すべてを理解、納得した上で「最後の1本」を吸いこの火をもみ消したら、1人ずつ「タバコとライター」を捨てて、「喫煙人生」に別れを告げて終了。 これを「最後のタバコ」とする儀式だそうです。仕上げは催眠療法を利用、もちろん意識がある中での疑似体験のようなものらしいですが。
料金は、1日1箱吸う方の約半年分のタバコ代ということで、64,800円(4ヶ月間の保証期間込)。保証期間中は何度でも無料で追加のセッションが受講でき、保証期間中に3回以上セラピーを受講しても禁煙できなかった方には、受講料金を全額返金。
禁煙草というものがあるそうです。これはインターネットでよく見ますが、主成分は、杜仲茶というもので、漢方の一種。杜仲の木の葉のお茶の葉をタバコと同じように吸うことでタバコを吸う満足感とイライラを抑えようと言うもの。しかし医学的根拠は不明で、「禁煙草はたばこの葉っぱではなく、漢方薬の素材としてよく知られている杜仲の葉で、できております。だから禁煙草には、ニコチンなどの中毒物質はもちろん天然素材以外のものは全く含まれておりません」という記載がネットでもあるようですが、タール4mg含んでるそうで、ニコチンはなくてもタールはあります。
ただしニコチンを全く含まないもので、禁煙というのはニコチンという薬理的依存は何も解消しないので、効果のほどは定かでないといえるかも知れません。
この煙草草というものは、ニコチン置換療法という治療方法から来ているようです。ニコチン置換療法とは、チューインガム製剤(ニコレット)用いることにより、ニコチン摂取量を漸現しながら離脱症状の発現を抑えつつ最終的に離脱させるというやり方。つまりニコチンの摂取を徐々に減らしていき、やがてはそれ無しで大丈夫にするというのが代表的。
ココでも、重要なのはニコチンのような薬理的依存の方に対して効果が期待できる、というもので、この製剤は、服用者自身のニコチン依存度、喫煙欲求などに応じて咀嚼時間、程度、回数の自己調節が可能で、これによりニコチンの放出が調整されるということになっています。習慣とか、”口さみしい”いう所はサポートしているわけではないというわけ。
この製剤は循環器、呼吸器、消化器疾患を持ち、医師により禁煙が必要と診断された喫煙者が医師の指導の下で行う禁煙の補助剤です。本剤は自由診療(保険適応外)の薬剤として厚生省より認可されています。
この療法での禁煙率は21.9%(開発試験)で、具体的な指導、また心理面でのサポートを行うことで有効率が上がるというところが重要なポイントですね。製剤だけで禁煙というのはそれなりに根性がいるわけです。
一番取っつきやすいのは、周囲に禁煙を宣言して、はっきりとその日からタバコを断つことですが、しかし精神的な強さを求められるのはたった一人になるとき。例えば車で移動してるときや通勤時の時など、その時意志を貫けるかということ。手軽に始められることは、その分軽はずみに手を染めるということと同じで、いつでも元に戻ってしまうことを意味しています。
精神面のサポートも必要ということになれば、その部分は工夫して行くことが出来そうですよね。
よほど親しい友人がたまたまタバコをやめて、それにつられ宣言して禁煙していけば成功する確率は比較的高いといえます。病院のように正確に期日をもって第三者と取り組むのであれば、段階的にタバコをやめるというのは一番無理がありません。
しかし個人でトライする場合、”段階的に”というのは一番うまくいきませんね。問題なのは長期的に身につけた習慣。わたしの個人的な治療方法は、前回でも少し触れましたが、段階的にタバコの量を減らすのではなく、自分の取り巻く環境を改善するというものでした。
精神面といっても何かを鍛えるという、肉体的苦痛に訴える方法(運動など)というのはストレス発散にはなるんですが、一時的な解決になることが多いですね。もしそれで解消できるようなら、むしろ運動しなくても強い意志だけで貫いていけると思います。
催眠療法とか、イメージトレーニングなど禁煙にまつわる方法は、本当に様々ですが、喫煙しているときの行動を冷静に分析すると、意外とストレスのため方、生活のスタイルなどどのタイミングでたばこが関わっているかがわかります。
刺激物、コーヒーやアルコール類は特に特徴的ですね。ストレスを発散出来るという思いこみが煙草という行為に結びついている場合もあります。しかし煙草を吸うから効率が上がるということはないんですよね。「一服する」ことがひとつの”義務”のようになってしまい、その行為がないと逆にイライラしてストレスがたまるという悪循環。
ニコチン依存症という薬理的依存とからみあって、ごちゃ混ぜにして考える前に、睡眠や生活スタイルを見直すということも効果があります。わたしもヘビースモーカーの時は慢性的な睡眠不足でした。例えば仕事の都合で帰りが遅いときなど、睡眠時間に気を取られ、帰宅後の時間の過ごし方がいつもいい加減で、毎回寝るのを惜しむように夜更かししていましたが、この生活を睡眠に向かうまでのプロセスをどう過ごすかに考え方を改めるよう、変えたのは前回もお話ししたとおりです。
音楽を聴いたり、読書など時計を気にしないように寝室には時計を置かず、自然に寝られるように習慣づけるとスムーズに就寝できるようになり、その生活が定着する頃禁煙をスタートさせました。きっかけは友人が禁煙に成功してその話を聞いたことでしたので、それが自分の励みになり禁煙を始めたその日から煙草は、キッパリと吸うのをやめましたね。
やめようという強い意志はあまり重要ではなく、吸わなくても良い環境をせめて自宅に作る方が大切のような気がします。
最初の1ヶ月を過ぎるまでと、3ヶ月目が一番辛かったと記憶しています。製剤関係は使いませんでした。半年ぐらい過ぎる頃には、煙草を買うという意識が消え、意識からもう煙草ということを忘れるようになります。始めてみるとこれは個人差があるようですが、ほぼ1年あれば完全に煙草はやめられます。
煙草を吸わなくなるとイライラするというのも、ある種の強迫観念で思いこみから来るようです。そもそも循環器系に重大なダメージを加える喫煙は、咳などを引き起こしやすく、肉体的にも相当なストレスを与えているはずですから、精神的に影響がないはずもなく喫煙そのものがイライラの原因といえるかもしれません。
カウンセリングがなぜ禁煙療法に取り入れられているか、理由は段階的に進めることが出来る薬理的依存の治療とは根本的に喫煙理由が違うからです。禁煙を始めるといらいらや集中力がなくなる、頭痛などの離脱症状が現れるともいいますが、両切り煙草を10年も吸い続けていた私でも、そうした症状は出ませんでした。むしろ煙草が切れるといらいらや集中力がなくなる、頭痛などの離脱症状が現れるという思いこみはあったように感じました。
精神面とメディカルな側面が、喫煙には確かにありますね。
より確実な禁煙を求めるなら、治療という側面で考えると良いかもしれません。